ああ…目が覚めてまずはじめに感じたのは罪悪感だ。気分が荒れるとすぐに全てを否定したがる僕は何様だって言うんだろう。本当は感謝しているのに、竜北、東くん、そして上条くんに出会えてよかったって。みんながいてくれるなら、なんだって受け入れていけるって…。

「西野さん、どうされたんですか?」
いつもより早く職場に向かっていると後ろから上条くんが走って来た。なんで僕なんかに構うんだろう。あれだけ、僕は上条くんに強く当たったのに…
「体調悪いんですか?」
軽く僕の肩を掴んで上条くんは目線を逸らそうとしている僕の顔を覗きこんでくる。
「…西野さん?」
「……っ」
正直、こういう時、どういった反応をしたらいいのかわからない。
「あ、もしかして俺、肩つかみ過ぎました? 痛かったですか?」
「…じゃない」
「はい?」
「そうじゃない。もう、ほっといてくれ!」
「嫌です!」
「か、みじょう…」
ふいに抱きしめられて、僕の脳みそは活動をやめてしまったみたい。
「危なっかしくてほっとけませんよ?」
「……」
「何かあったんですか?」
「!」
駄目だ。やっぱり上条くんを見ていたら、いらいらする。
「公共の場で抱きつくんじゃねぇよ! この馬鹿!」
上条くんを思いっきり突き飛ばした。なのに上条くんは嬉しそうに笑った。痛かっただろうさっきの。なのになのになんでそんなにも嬉しそうなんだよ。
もしかして痛いのが好きな人?




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