自宅に帰ってパソコンを開くと、彼のサイトじゃなくて…竜北さんのサイトを見ていた。
どうしてだろう、なんか、どきどきする。
ただ、俺の大好きな彼が、俺の職場の先輩だったとわかっただけなのに…

「ちょっと…」
わざとなのか、それとも、気にしない人なのか…
多分、後者なんだろうなって思いながら、俺は竜北さんの日記に目を通していた。そこには、ずっと声をロクにかけられなかった後輩と会話できたことと、これからBL話振ってもいいと許可をもらったから仲良くなれたらいいな、とか書いてある。
別に、俺、普段日記を読んでいるって言ってあるから、これは決して盗み見ではないと自分に言い聞かせながら、顔がほてっていくのを感じた。

竜北さんって、裏表のない人なのかも…

お風呂に入ってベットに転がって、俺はテレビのチャンネルを回した。いつもならボーと眠るまで天井でも見ているんだけども、今日は何か気分を紛らわさないと、竜北さんの笑顔が頭をよぎってしかたないんだ。もう、さ、そんな風に誰かのこと気にかけたりしないって俺は決めているのに。

結局、テレビは何をつけても、真剣に見れなかったし、気を紛らわすことさえ叶わなかったから、俺はテレビの電源を消すと、コミケで買った竜北さんの同人誌を読みはじめた。

本当、何回読んでも、感動したり、気持ちが温かくなる。

いつだって彼の書くお話は優しくて儚くて一生懸命なんだ。
俺はそれがとても好き。
明日も頑張ろうって気持ちになれる。
「明日か…」




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