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「何を怯えているのかな、上条くん。僕が作った愛情たっぷりサンド食べてくれないのかな?」
「な、西野さん、どうして4つに1つは辛いと言うのに、俺たちに選択肢のない出し方をするんですか。俺、疑っちゃうじゃないですか?」
「やだぁ。上条くん。僕が上条くんにからしをもると思っているの?」
「そうだぞ、上条、西野はこう見えていい奴だから、カレーはいつも甘口しか食べない上条にからしをもるわけがないだろ!」
安心して食べてみなって竜北さんは上条くんの肩を叩いた。
正直、俺も、上条くんと一緒で不安だ。西野さん、上条くんにはいつも容赦しないから、からし入れていたりするんじゃないかなってさ。

「…そこまで言うなら信じますよ」
ふてくされたようにそう言って、上条くんは取り分けられている自分のサンドイッチを口に含んで、泣きだした。
辛かったのだろうか?
俺と竜北さんはうろたえた。西野さんはにこにこと楽しそうにほほ笑んでいる。

「あっま〜い」
とっても幸せそうに上条くんはほほ笑んだ。
西野さんもほほ笑んだ。
「上条くん、これからはよろしくね?」
「西野さん…」
結局からし入りサンドイッチを食べたのは西野さんだった。西野さんはからしがとても好きらしい。そんなやりとりをほほえましく俺が見ていたら急に竜北さんは立ちあがり「ま、これからは何があっても四人で頑張っていこうぜ! 知っているか一本の矢も二本の矢も簡単に折れる。けど、三本集まれば頑丈なんだ。ということはすなわち、俺たちは四本の矢だ。三本以上に頑丈だぜ!」だから、壊れないと言ってくれた。

俺たちは四人で円陣を組んで頬を寄せ微笑み、誓い合った。





第四話 完結



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