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「え、ネーム書きなおしたんですか?」
次の日、いろいろと訂正したネームを高良に渡すと驚かれた。
「うーんと、正確にはほとんどかわらないんだけど、最後を描き足した」
「ちょっと待って下さい、読ませてもらいますね!」
真剣な顔をして高良は俺の訂正ネームに目を通して行く。

ここだけの話だ。
訂正前ネームの最後の展開は、攻めが自分の独占欲を受けに伝えたら、実は受けも攻めのことで独占欲を感じていて、かたく二人の世界を作っていくみたいなものだったんだけど、訂正後ネームでは…

「うわ、いいですね、これ。攻めの異常な独占欲は、ただ受けちゃんが自分以外の誰かのところにいってしまいそうで怖かったとか、最強に可愛いじゃないですか?」
「…そ、そうか?」
「はい、それから、受けの子も可愛いですよ。攻めの不安な気持ちをわかって、何があっても離れていかないよ、なんて言うなんて。それに、最後の受けの『だって、離れたくないから、俺が』ってセリフ、もうびっくりですよ!」
「なら、よかったかな?」
「訂正前もよかったですが、俺はこっちのほうが好きです!」
瞳をキラキラさせて高良は喜んで俺のネームを読んでいる。

気がつかないのだろうか?
明らかに、それは昨日の俺たちのやりとりをそのまま(いや、少しは変えたけど)かたちにしているって。
ま、そうだと思っても、高良のことだ。参考にしただけだと思うだろう。だって、どうせ、俺と高良はそういった関係になることなんてない。けどさ、この関係もそれなりに深いものだと俺は思っているよ。

「いつも傍にいてくれてありがとう、高良」





第三話 完結



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