「長い間すみませんでした!」
すっかり体調もよくなって職場に行くと、西野がやせ細っていた。それから上条は俺を見てホッとしたような顔をしてくれる。
「そんなにも、俺がいなくて、大変だったか、西野、上条」
俺は嬉しくて二人に抱きかかろうとしたら、鋭い目で見られた。
「えと…」
怒っているのはわかった。でも、俺、好きで体調壊したわけじゃないのに、どうしてそんなにも敵意を持たれているんだろ。冗談抜きで怖い。だって、高良はちょっとした用事でここにいないから、完全に今2対1。もちろん、俺が1の方だ。

「ねぇ竜北、もう二度と体調壊さないようにしないといけないなって思って、僕、たくさん健康グッズ集めたの。はい、あげる」
西野はとても可愛らしく笑うと、大量のダンボールを俺の机に積んだ。
「俺、西野さんのように気が使えないから、どうしたらいいのかわかりませんが、直球に言われてください。竜北さんが休んでいる間、高良が心配し過ぎて、高良が危なっかしくて、俺もう耐えられませんでした。だから、二度と風邪ひくんじゃねぇぞ!」
「そうだ、上条の言う通りだ、この馬鹿野郎! てめぇが一番何かに気を盗られた東くんの危なっかしさを知っているだろ?」
「ああ、知っているよ」
「だったら、ちったぁ、気をつけろよな!」
西野は完全に怒っている。けど、俺はそんなことに凹んでいる場合じゃなかった。

そんなにも高良が俺のことを心配してくれたのが嬉しかったんだ。

ほんの少しの間でも君の中で、一番になれていたとしたら、それはとても嬉しい。
だから、俺は後で高良に「ありがとう」と言おう。

そうしたら、きっと、高良も喜んでくれるだろうから。



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