月曜日、職場に行くと、西野さんが本気だった。
「今度の会議で俺たちは奴らに復讐ができる絶好のチャンスだ!」
ホワイトボードにびっしりと案を書き込んで西野さんは満足げに笑った。その笑顔があまりにも黒くて俺は背筋が冷えていくのを感じた。
「こら、西野、高良が怯えてんぞ?」
「え、東くん。大丈夫だよ。僕ね、東くんには牙をむいたりしないから、安心してね」
可愛らしく西野さんはほほ笑んだ。わぁ…よかった。俺の知っている西野さんだ。

「てか、チャラ男は?」
「上条なら、遅れるって」
「は?」
険しい顔をして西野さんはホワイトボードを殴った。けども、すぐに俺の方を見ると何事もなかったかのようににっこりと笑ってくれる。
もしかして、俺、西野さんに気を使わせているのだろうか?
だとしたら…

「西野さん、無理しないでください。俺に強く当たっても俺は、耐えられます。そんなに弱くないです」
「東くん…?」
「ときどき思っていたんですが、西野さん、俺には怒っているところあまり見せないようにしてくださってますが、そんな気を使わなくていいですよっ」
「えーやだ」
「…嫌ですか?」
「うん、僕、こんな短気だけど、東くんのことは大切に思っているから、当たりたくない」
「西野、俺はいいのかよ?」
竜北さんはずるいぞと俺と西野さんの間に割って入った。すると西野さんは「僕、竜北にも当らないようにしているのに、竜北ひどいっ」といつもの可愛い熊さん人形に顔を伏せた。西野さんって本当に可愛い人だな…。




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