「けどよ、せっかく参加できるんだ。何かやろうぜ!」
「…う、でも、俺はもう」
俺は初めての会議で発言して完全に無視されたことを思い出した。竜北さんも西野さんも絶対に反応されないからやめとけといったのに、俺は、頑張れば伝わるって理解してもらえるって思っていた。
「いいよ、俺が頑張るから」
にっかりと上条くんは笑って俺の頭をなでた。なんだか、元気出たかもしれない。

「それに、高良にそんなことする連中、許さねぇ」
「え?」
「うん? 一緒に提案する内容は考えてくれよって言ったんだ」
「わかった、俺、頑張る」
「よしっ見返してやろうぜ、俺らだってやればできるんだってさ!」

「…もしかして、上条くん」
誰かに何か言われたのと聞こうとしたら、上条くんは急にカラオケ機の音源を上げて、曲を入れた。はじめて聞く、かなり可愛らしい曲だった。
俺、最近、BLばっかりで普通の流行とか疎いのかな…



*****


「遅くまでわりぃ」
ついつい乗ってしまって歌いすぎたと上条くんは頭を下げた。別に俺は自分が楽しくてノリノリに歌う上条くんといたから、気にしないでと笑った。すると上条くんは「やっぱり似ている」と呟いた。
誰に似ているんだろう。




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