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竜北さんが俺の家に止まりに来るなんてことはしょっちゅうある。
理由は終電を逃したとか、家に一人は寂しいからとか様々だけども、一番は俺の家がとても落ち着くらしい。だから、よく、BL漫画の原稿につまったら、道具一式持って何日も泊りにきたりする。
友人にその話をしたら、迷惑じゃないのかって言われたけども、俺は竜北さんのことが大好きだし、竜北さんが俺の家にいるからといっておきる問題は何もないから、受け入れてしまっている。

「でも、高良は、どうして俺が同性愛者だって知っても、避けないの?」
「うー、よくわかりません」
「そっか」
「ただ、言うのであれば、俺は、何にしても竜北さんは竜北さんだと思うんですよ。だから」
「俺、誰にも理解されないと思っていたのに、高良は俺のことわかってくれるから、好きだよぉ」
大好き、なんていいながら竜北さんは俺に抱きついてきた。
はじめのころは竜北さんのスキンシップになれなかったけども、もう、今やそれは挨拶と変わらないくらい日常茶判事なことだと俺は認識しているみたいだ。

「昨日も、トーン貼るの手伝ってくれてありがとうね」
竜北さんはまるで子どものように笑った。
俺は「それくらいいいです」と言って、照れた顔を隠した。

竜北さんは、変だと思う。
だけど、俺も…最近、変だ。





第一話 完結



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