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外で手を繋いで走るって、恥ずかしいけど、もう、俺は自分の手が竜北さんの手と繋がっているなら、そんな小さなことはどうでもいいと思った。

「ごめん、走っちゃって…」
俺の家に着くと、竜北さんは申し訳なさそうな顔をした。
「さっきも、言ったけど、俺ね、高良のことが好きだよ。大好き」
「…あの、俺も」
好きですと言おうとしたら、竜北さんは
「俺と恋をしてくださいっ」
と大きな声で叫んだ。

「……え」

突然のことに俺は固まってしまった。
すると竜北さんは「ごめんごめん」と笑った。
「無理にとは言わないよ。うん。あの、こんな俺だけど、これからも、一緒に居てもいいかな。も、もちろん、勝手に変なことしないし、今まで通りでいるし」
我がままだけど、と竜北さんは俺を見つめる。
俺の頭は急展開についていけずに、言葉がちゃんとまとまらなかった。
でも、ここで黙っていたら、いけないってことはわかっていて。

「あ、あの、俺、竜北さんなら、何されても平気…」
必死に何か言おうとしたら、とんでもないことを言ってしまった。
俺はどうにか言葉を修正しないといけないと慌てて、一番の本音が口から出てしまった。


「離れていかないでください、俺、ずっと竜北さんと一緒にいたいです」





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