「信じられないかな…」
西野さんはそう言って俺を見つめる。
「だって、西野さん、俺にだけ冷たいじゃないですか…ずっと」
あまり好かれていないって思っていたし。それに…
「高良のことが、西野さん、好きなのかなって思ってました」
「なんで?」
「だって高良には明らかに優しいっていうか、大切にしているっていうか…」
特別扱いに見えたんですよね、と俺は呟く。すると西野さんは「それはそうだけど」と俺の服を引っ張る。
「東くんはね、確かに特別だよ。でも…僕は東くんを独占したいとかそんな風には思わないもん」
「…ぇ?」
それって俺は、西野さん俺のことは独占したいと考えてくれているんですかって、聞きかけてやめた。

「それに、僕は上条くんのことも、特別扱いしていたんだけどな」

「本当ですか、どの辺ですか?」
格好つけることなんて忘れて嬉しさ余って俺は尋ねた。
西野さんは顔を赤くして、小さく俺の腹をつつく。
「こうやって好きでいることがすでに特別だろ、馬鹿!」
わかれよ…と言われて、俺は大きく頷いた。
そして付き合って下さいと俺が言おうとしたら、西野さんは拗ねたように抱きついてくる。
「でもそれなら、上条くんだって東くんのこと特別扱いしていたじゃん」
「はい。でも、俺も、西野さんと一緒ですよ…。高良は大好きですが、キスしたいとかそういった感情はないですから!」

「上条くんの嫁に似ているのに…?」




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