=千香side=


お風呂に入っていて、目の前をGが横切ったんだ。

そのGとはコードネーム。

名前も呼ぶのも恐ろしいそいつは、黒くひかり、翼を隠し持ち、本当に、気持ち悪い。

俺は、そのゴキブ…じゃない、Gと同じ空間にいるのが怖くて、洗面器を投げた。

すると、水戸くんが俺のことを心配して、お風呂に来てくれた。


けど、恥ずかしくて、俺は水戸くんに、もう一つあった洗面器を投げつけてしまった。


水戸くんはそれから、意識を失ってしまって、そこから、目を覚まさない。

俺はベットの上で伸びている水戸くんを見つめていた。

苦しそうな顔をして…いて、もしかしたら、俺が男だとばれたのかと心配になる。


自分から言いたかったのにな。

でも先送りにばっかりしていた俺が悪いんだよな。


「水戸くん…」

俺は、水戸くんの手を握った。
今さら、服をきて取り繕う気にもなれない俺は、
ただバスタオルを巻いて、ずっと、水戸くんのそばにいた。






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