「つまり、女装したままの姿から付き合いだした男の子がいるけど、まだ、言ってないんだ。千香が男だって」

「そうなんだ…でも、俺、できれば言いたくない」

「言いたくなって言っても、千香、ずっと、このままでいられると思っているの?」

「思わない。だけど、壊したくない。俺を見て、愛おしそうに笑ってくれる、あいつを失いたくないんだ」

「けど、勘違いしているなら、結局のところは…」

「わかっているよ、あいつは俺を見ているようで、俺を見ているわけじゃない。だから、大切にされたら、余計に寂しい。でも、離れたくないと思うんだ。ずっと矛盾していて、自分が本当にわからなくて、どうしてあらいいのか、どうしようもないのに、考えて…でも、俺、好きだから…」

「千香、俺からも一ついいか?」

「え?」

「千香は、その、水戸くんが好きなんだろ。じゃあさ、千香は水戸くんが、女の子だったらどうする?」

「え、水戸くんが…?」

「やっぱり嫌かな?」

「……俺、女の子…好きになったことないから、わからないし、女の子は…恋愛対象から外れているけど、水戸くんなら、そういったふうに見れるかな…。わからないけど、好きだって気持ちはかわらないだろうな。きっと悩むけど」

「本当に、好きなんだね」

「…だから、言っただろ。本当に、好き、だって」






[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -