愛する気持ち
=侑side=
千香ちゃんが泣いている。
怖かったのかな…?
キスして、つい先に進みたいと思ったから、俺、怖がらせてしまったのかな。
千香ちゃんは違うと言ってくれたけど…
やっぱり怖かったんだろうな。
俺の服の袖をつかんで、震えていた。
俺はそっと千香ちゃんを抱きしめて、ただキスをくり返した。
ただそれだけ…
それだけなのに、愛おしくて、
しかたなくて、俺は、
必死になって
好きです。
と何回も言った。
伝わればいいのに。
俺は千香ちゃんのこと大切にしたいから、
怖がらないでって。
無理にしたり、絶対にしないから。
安心してよって伝わればいいのに…
欲望は置いてきて、
俺は千香ちゃんを見つめていたい。
いつも、愛されることばかり願っていた。
でも、愛することってこんなにも、幸せなんだな。
「大好きですよ…」
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