=千香side=


朝、目が覚めたら、
水戸くんが俺の手を握って眠っていた。

「え?」

なんで、水戸くんが…?

俺は首を傾げ、でも、何もかも考えず、ただ、水戸くんの頭をなでた。

可愛いなー

こんなにも幸せな気持ちで目覚めたのはいつぶりだろうか。


「水戸くん、好きだよ」

俺はそう言って、そっと水戸くんの顔を指で確かめた。

気持ちいい。


「……うわぁ」

急に、身体が後ろに倒れた。
俺はびっくりして閉じた瞳を開く。
そこには水戸くんがいる。
どうして…?

「…あの、可愛いことしないでください」

切羽詰まった顔をして、水戸くんは俺の頬に触れた。



今、俺、メイクも何もしていないんだけど

ちゃんと女の子だと思ってくれている水戸くんがいると、

俺は女顔でよかったと生まれて初めて思った。


「水戸くん…?」

「その、俺も好きですよ」

「え?」

「ずっと会いたかったから、会いに来ました」

「水戸くん…」

近づいてくる唇に瞳を閉じて、俺は水戸くんとキスをした。






[*前] | [次#]
目次に戻る→


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -