4
=千香side=
朝、目が覚めたら、
水戸くんが俺の手を握って眠っていた。
「え?」
なんで、水戸くんが…?
俺は首を傾げ、でも、何もかも考えず、ただ、水戸くんの頭をなでた。
可愛いなー
こんなにも幸せな気持ちで目覚めたのはいつぶりだろうか。
「水戸くん、好きだよ」
俺はそう言って、そっと水戸くんの顔を指で確かめた。
気持ちいい。
「……うわぁ」
急に、身体が後ろに倒れた。
俺はびっくりして閉じた瞳を開く。
そこには水戸くんがいる。
どうして…?
「…あの、可愛いことしないでください」
切羽詰まった顔をして、水戸くんは俺の頬に触れた。
今、俺、メイクも何もしていないんだけど
ちゃんと女の子だと思ってくれている水戸くんがいると、
俺は女顔でよかったと生まれて初めて思った。
「水戸くん…?」
「その、俺も好きですよ」
「え?」
「ずっと会いたかったから、会いに来ました」
「水戸くん…」
近づいてくる唇に瞳を閉じて、俺は水戸くんとキスをした。
[*前] | [次#]
目次に戻る→