「おじゃまします」

俺は千香ちゃんの家の鍵が開いたことにちょっとやっぱりショックを受けた。

合鍵なんだから、開くに決まっているのに、な。


意味がわからない。


それでも、千香ちゃんの家に入るということにドキドキしていた。

俺は電気をつけず、灯りがともっている方へとただ歩いた。

足音は立てないように…


「……ぁ」

玄関からすぐの部屋で、そこのベットで、千香ちゃんは丸くなって眠っていた。
寝顔まで可愛いんだなーなんて思いながら、俺は千香ちゃんの顔を見つめていた。


「!」


でも、可愛い寝顔から、ぽろぽろと涙がこぼれる。

俺は、どうしていいのかもわからずに、
気が付いたら、そこに唇を落としていた。

千香ちゃんの涙はとても塩辛かった。






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