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俺はいつも思っていた。
必死になることって、恥ずかしいと。
から回ると、どうしたらいいのか、わからないと。
だから、傷つくとわかっていることには参加しないし、
チャレンジもしない。
ただ、目的は叶えられる範囲で。
それが俺のもっとうだった。
「永太!」
俺は永太を飲み会だと言って呼び出して、俺の家に連れ込んだ。
この前、俺も永太にそうされたんだから、俺がしたっていいだろう。
「話があるんだ!」
俺は永太をまっすぐ見つめた。
永太は俺を見つめ返すと「俺にできることだったら何でもやるよ」と健気に笑ってくれた。
ああ、なんて、こいつはいい奴なんだ…
「明日のお料理会、こっそりと変わって!」
「え?」
「永太が必死になっているのも真剣なのも、わかっているつもりだけど、俺、彼女と話がしたいんだ。ちゃんと会って言いたいことがあって、でも、なんか、最近、会ってくれなくて…その…」
上手く言葉にならなくなってきた。
格好悪いなー…
でも永太はキラキラした瞳で「そういうことならわかった」と俺の頭を二・三発軽くたたいた。
頑張れって言うときの永太の癖。
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