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「てか、俺は怒っていたよ。直太郎も、侑も疑ってないし、何でもないのに、平気じゃなかった。二人が仲良く話しているのをみたら、悲しくなった…やっぱ、しかたないんじゃないの?」
そういえば、昔、あたえられるだけのひなどり、という、演劇を学園祭でしたっけ。
それで二人でお疲れ様の会をしようとして、ケイがケーキを買いに言っている間俺は、ケイの家で待っていた。
その時、帰宅してきた、神崎さん(直太郎さんのほう)は俺を見て不安そうな顔してたっけ。
俺はたくさん嘘をついてしまったけど、少しでも彼が不安から解放されたらいいと思ったんだ。
でも、ケイにはそれを今伝えておこう。
「ケイ俺ね、あの日…」
*****
「嘘、それ本当!?」
だったら嬉しいと、ケイは幸せそうに両手を合わせた。
「でも、俺、神崎さんに嘘ついたから…ケイに会ったのは劇の時からだって…だから、そこんとこ、適当によろしく」
「まかせて!」
へーそうか、そうなんだーとケイは楽しそうに笑った。
最近ずっとケイは落ち込んでいたみたいだから、そうやって笑ってもらえたら、俺は嬉しい。
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