５
水戸くんは俺を好きだと言ってくれた。
だけど、それって、女の子としてだよな。
じゃあ、さ、俺が本当は男だって知ったらどうなるんだろう。
もう、二度と会ってくれないかな。
どうなんだろう。
男だとか関係ないよって言ってくれるかな。
そんなこと…あるはずがないよな。
幸せなのに、不安で、
嬉しいのに、怖い。
俺は、何かとんでもないことをしているんじゃないだろうか。
会長も言っていたけど、
いつかはそういったこともするのかもしれない。
今は服を着ているから、いいけど、脱いだら隠せないだろ…
いくら、俺が女顔でも、胸はないしあれはついているしで、
男だってわかってしまうよね…
本来、入れる穴もないし、
そっか、腸は綺麗にしておかないといけないとか、前立腺とか…
ああ、ダメだ。
どうして、俺、男なんかに生まれてきたんだろう。
どうして、水戸くんは俺のこと女の子だと思っているんだろう。
どうして、こんなことになったの？
なのに、どうして、俺は、まだ水戸くんに本当のことを話そうとしないんだろう。
このまま、もう少し一緒にいたいなんて、自分勝手。
最低…
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