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=千香side=
水戸くんに好きだと言われて焦った。
だけど、俺も水戸くんのことが好きだから嬉しくて、つい勢いで付き合うことになった。
「会長―!」
相談相手のいない俺は、午後からの仕事をちょっと中断して、会長に会いに会長室を訪れた。
「千香、どうした?」
「どうしたもこうしたも」
さっきあったことを説明しよとしても言葉がうまくまとまらない。
そんな俺に「そっか」と頷きながら会長はしんみりと
「そっか、男の子と付き合うことになったんだな」
「え?」
俺はまだ何も言っていないのに、見事に言い当てた。
「なんで、それ、知っているんだよ!」
「え、本当に!?」
しまった…さっきのはこいつの妄言だったんだ。
でたらめな言葉だったんだ。
いつもなら俺が怒って否定するところ。
でも、今はそれが事実で、それが悩みだから…
「そうだよ、そうなったんだけど…その…」
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