進展していこう
「しかし、困ったなー」
俺は昨日のことを思い出しながら、神崎さんと待ち合わせしている食堂で頭を抱えていた。
俺、永太のために何かしてやりたいけど、料理はお手上げ。
「はぁあー」
「お待たせ」
「お疲れ様です」
俺は俺のテーブルの前に座った神崎さんに笑いかけると、まだ何を食べるか考えていないことに気がついて、慌ててメニュー表を見つめた。
そこで、気がついた。
「…神崎さんって、料理されますか?」
「え?」
女の子だししているのかなって思って聞いたけど、なんだろうか、まったく神崎さんが台所に立っている姿が想像もつかない。
「いえ、いいんです。ただ、俺の友人が、料理したいとか言い出して、でも先生になってくれる人なんて俺の周りにはいないんです」
「え、女の子の友達とかは?」
意外そうな顔をして、神崎さんは聞いてきた。
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