楽しい時間
でも、そうやって神崎さんにからかわれていじられて遊ばれて、疲れるけど、
お昼休みになると、楽しみがある。
更衣室からお財布(OLっぽく長財布もちろんブランド)と携帯を持って定食屋さんに向かった。
「お客様何名様ですか?」
可愛いウエートレスがにっこりとほほ笑む。
俺もにっこりと彼女に負けないくらいほほ笑むと、
「12番テーブルで待ち合わせしておりまして…」
と告げた。
そうして、通された12番テーブルには水戸くんがいる。
「お疲れ様です」
「あ、ありがとう…」
あれから、俺たちは、メアドを交換し、何度とメールをし、気がつけば仲良くなっていた。
お昼が一人で寂しんだって話をしたら、水戸くんは「じゃあ、一緒に食べましょう」とか言ってくれて…
幸せだ。
「ご注文はどうさせますか?」
「「がっつりと定食、ライス大盛りで!」」
「こちら…結構、な量になってしまうんですが…」
ウエートレスは俺の方を見て、心配そうな顔をした。
「いえ、がっつり食べます!」
俺は握りこぶしを作って彼女に微笑んだ。
すると彼女は顔を赤らめて、そそくさとカウンターの中に消えていった。
「私、悪いことしたかな…」
時たま、ああやって、女の子が俺から逃げるようにどっかに行ってしまう。
女装してないときはそうじゃないんだけどなー
「あはは…たぶん、好きだからですよ」
「は?」
俺は水戸くんの言葉に「なんじゃそりゃ」と返した。
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