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「はい、よくわかりました。すみませんでした。ちょっと似ていたんです」
泣きやむと俺は、彼女に謝った。
どうやら彼女は『神崎千香』で俺の知っている千香ちゃんと同名だけど、
彼女は女の子で、千香ちゃんは男の子だって、今さら気がついたからだ。
思いっきり人違いしてしまったことが恥ずかしい。
だけど、本当に彼女は千香ちゃんにそっくりだった。
「いいってもう」
気にすんな、そう言って俺の背中をばしばしと叩く。
本当に千香ちゃんみたい。
「ま、事情はよくわかった、これで私もすっきりしたし、帰りますわ」
「ご迷惑かけて…すみませんでした」
気が動転してしまったんだ。
千香ちゃんにまた会えたんだと思って俺はあれから、しばらく、放心状態で泣いていた。
それをここまで俺が自分を取り戻すまでそばで彼女は待っていてくれた。
付き合ってくれた。
喫茶店じゃ…あれだからって、カラオケの部屋まで取ってくれて、
そこでただとなりにいてくれた。
本当に千香ちゃんみたいだ。
言葉は乱暴で雑で、でも見捨てずにいてくれる。
めんどくさがらない。
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