喫茶店
「あれ、中佐都?」
大学の帰り、ふと立ち寄った俺のお気に入りの喫茶店で中佐都を見つけた。
相変わらず、涼しい顔をしているよな…
「って、カルピスソーダ!」
俺は思わず、笑いそうになった。
中佐都って珈琲とか紅茶とか似合いそうなのに、チェリーが浮いているカルピスソーダを飲みながら、クールに読書している。
ダメだ…今俺一人なのに笑いそう。
そうだ、解決策があるじゃないか!
「中佐都、カルピスソーダって好きなの?」
俺は中佐都に話しかけた。
これで今笑っていても俺は一人じゃないから、喫茶店で一人なのに笑っている変な人にならずにすんだ。
「…好きなんだよ」
しばらくの間を置いて中佐都は照れながら呟いた。
なんだ、恥ずかしいって思っていたのか。
てっきり天然かと思った。
「へぇーじゃあ、俺も次はそれ頼んでみるよ」
中佐都のカルピスソーダを指差して俺はほほ笑んだ。
中佐都は居心地悪そうな顔をして、ほほ笑んだ。
なんだ、中佐都ってクールじゃなくてただの照れ屋さんだったんだな。
こういうの、やっぱり女の子は弱いんだろうな。
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