「……そっかそれは辛いよなー」

トモの話をまとめると、中佐都が好きで笑っていてほしいと思ったのに、自分以外の誰かが中佐都のとなりにいるのが嫌だとかそんなこと。

トモはそう話ながら、途中何回も俺に気持ち悪くない?とか聞いていていた。

俺はトモならひかないかなって思って、
正直に俺は同性愛者だよって言った。

すると、トモの感情を止めていた何かがなくなったみたいに、本音を口にする。


そう、ため込むことはよくないから、全部はいてしまえばいいのに…


「本当に俺って何を望んでいたんだろう。中佐都にね、笑ってもらえたらいいなって思っていたのに、そこに俺がいないのは嫌なんだ。なんで俺だけが好きなんだろうなって馬鹿らしくてさ」

「トモ。でもそういう気持ちを否定しても好きなものは好きだし、せめても自分が辛いだけだし、認めてもいいと思うよ。俺、も、実はまだ引きずっているけど、嫌じゃない。俺は叶わなくても、もう会えなくても、好きになれたことを誇りに思うなー。本当にその人が好きなんだ」

「水戸、お前って一途だな」

「トモだってそうだろ?」

「あはは。本当だ…」

本当だねってトモは言って、笑った。
俺はそんなトモの背中をたださすって、トモの話を聞いていた。


ずっとずっと聞いていて思った。


俺は、簡単に千香ちゃんを忘れられることはないんだと…

トモと同じように気持ちは簡単に切り替わるものじゃないし…ね。






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