好きという気持ち
大学に行くと、トモが一人でブツブツ言っていた。
俺はそれがあまりにも可愛いと思ったから、そっと背中をなでた。
すると、トモは泣き出しそうな顔をして、俺の方を見る。
「水戸ぉー」
「どうしたんだよ?」
両手を広げて抱きついてくる。それが可愛い。
俺はよしよしとトモの頭をなでた。
「中佐都に恋人が出来たんだー」
「え、そうなのか? それはよかったな」
だってトモはずっと昔の恋ばかりに囚われている中佐都のことを心配して合コンまで開いたんだし…
あれ…
トモの願いは叶ったはずなのに、トモはとても悲しそうだ…
「…トモどうしたの? 俺でよかったら聞くよ?」
「水戸ぉお」
*****
そして、俺たちは一時間目の授業をさぼって中庭にいた。
出席カードというものを提出さえしておけば、授業には出ていることになるから、大丈夫。
後はノートをケイくんに見せてもらえばいいや。
[*前] | [次#]
目次に戻る→