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それから、千香ちゃんは俺たちの前には現れなかった。
だけど、図工の時間にそういったことはなくなっていた。
担任曰く、千香ちゃんが乗り込んだらしいんだ、職員室に。
そして高らかにこう言ったんだって。
「もう少し、考えてやって下さい。親がいてあたりまえじゃない家庭もあるんですよ! 学校くらい楽し場所であるようにしてあげてください」
実習初日から、そんな生意気をして、千香ちゃんは大学に返却されたそうな…
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「懐かしいな…千香ちゃん…」
忘れたことなんてなかった。
小さい俺はいつか、俺も大学に通うようになって、千香ちゃんの横を歩くんだって思っていた。
実際は、
俺が年を取ると千香ちゃんも年を取るんだから、そんなの叶うはずもないのに。
そんなあたり前のことに気がついたのが中学生になってからだった。
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