ああ、何故だ。
俺はそう言いたい気持ちでいっぱいだった。
なんでったって、こんな部署を偵察しなければならないんだ。
神崎さんがいるじゃん。
昔、俺が仕事を教えてもらっていた人じゃんか。
会長の馬鹿。
絶対にばれるって。

と、いうのは、俺のうぬぼれであることを、俺は偵察三日目にして、納得した。

ああ、そんなもんかい。
でも課長になられていたんだ。
俺の知らないところであなたは頑張っていたんだなと思うと、少しばかり、俺も頑張ろうと思えた。
が、しかし、俺はとんでもないものに出会った。

小池さんっていうんだけど、まじで可愛いの。
なんか、無理やりに型物ぶってるんだけど。


でもね、これは会長に対してもそうなんだけど、ただ愛でたいだけで、恋だとか、そんな深いものはない。
いわば、あれだ。
なんかの癒しキャラにたいしての好意に近い。
そんなもんなんだよ。
だって、俺、あの日から、まだ、動けずにいるもん。
高校のはかない恋を忘れられないんだ。

ああ、まともになりたい。

そしてら、俺は普通に家庭とかもって、それなりに生きて幸せになれるんだろうな。
そう思った。





[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -