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「読んでくれたんだ。感想は?」
「感想とか、聞くなよ! 馬鹿! だいたい、混ぜんなよ! 読んじゃうだろ!?」
「普通、途中でやめるだろう。千香」
「俺が普通なら、やめました。けど」
千香は俺の書いたBL小説をディスクにたたきつけて
「俺にそんな趣味も何もないですから!」
「なんのこと?」
俺は千香が何を言いたいのか、知っていながら聞いた。
顔を赤くする千香が可愛くて仕方なかったんだ。
「俺に女装趣味はないから」
「やったこともないのに」
「やらなくても、わかります。こんな風になるわけないでしょ? 勝手に人のことをネタにするくせに、へんな妄想入れないでくださいよ」
「妄想?」
「俺は、確かに、あれかもしれませんが、自分が女の子になりたいとか考えた事ないですから」
「ああ、千香。男の子好きだもんね。うんうん。え、でも、ないんだ。女の子になりたいって思わないの?」
「わけがわかりません」
「じゃ、してみようか?」
「何をです?」
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