=水戸侑side=


女の子に興味が持てなかった。
だから、俺は友人の恋愛相談に乗りながら、
俺もいつかは、そんな恋愛がしたいと思っていた。
思っていた。

でも、気がつくと、目線は女の子には行かない。
大学でも知らない間に、男の子ばかり見ている。
そうだ。
ずっと、そうだった。
俺は、男の子が好きだった。
どうしようもない。

で、さ、本当に笑える話なんだけど、
高校の時からの大親友が、今も好きで困っていたりする。
そいつの名前は丹羽永太とかいって、冒頭でもいったように、俺に恋愛相談を持ちかけてくる可愛い奴なんだ。
なんでも上司に恋をしているようで。
今日も、こうして、呼び出された居酒屋で、俺は永太と酒におぼれた。
俺のは大方、ヤケだった。
そりゃ、さ、好きな奴に、俺の他に好きな奴がいて、その話を聞かされるんだぜ。
普通の精神じゃ、もたないって。


ね、どうして、俺じゃ駄目なのかな?

永太。


こんなにも俺はお前を思っているのに、お前は振り向いてもくれない。

あたり前だと俺はわかっていて、だけど、それでも求めてしまうんだ。
夢のような話を。

俺がお前のとなりにいられる永遠を。

馬鹿みたいに。





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テーマ「人外ファンタジー」
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