日常の泡4
「待ち合わせしているって言ったよね。それ、僕の彼との昔からの約束なの。いつ壊れてしまうかわからない関係なんだけど」
僕は彼といる時が一番幸せだった。
「人生で最大の幸福で、けど、いつも会えたりはしないの。それはね、きっと彼には、僕以外にも、誰かいるからだと思うの。だから、このままじゃいけない。終わらせなくちゃって。だけど、僕にとって、彼がすべてで。だから、それを終わらせてしまいと、すべてが終わってしまう、そんな気がして…」
優しい笑顔で話しかけてくれた時、僕の世界は色を手に入れた。キラキラだった。
だけど、今は……。
「毎日のなかに幸福を感じられない。終わりに怯える幸福しか僕にはないの」
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