俺のあたり前と君のあたり前「ユウキside」




「ユウキはたまに独り言を言っているね?」

とあるお昼休み屋上で弁当をつついていたら、チトセが不思議そうに聞いてきた。
俺は、自分の生まれ持ったよくわからない性質を、どうやって説明したらいいのか考えた。

「……言いたくないこと?」

あまりにも俺が考えすぎたのか、チトセは変なこと聞いてごめんねと、話題を変えようとしてくれる。

そんな気遣いをさせたかったわけじゃないんだ。


「違う、言いたくないんじゃなくて、どうやって説明したらいいのかなって考えてしまっただけで」

「あ、そうなん。じゃあ、ユウキが今思うままに説明して?」

「いやでもまとまってないし」

「俺、ずっとユウキと一緒にいるやん、今すぐに理解できなくてもいつか、わかるようになると思うしな」

「ああ…ありがとう」

俺はゆったりとチトセに自分のことを話始める。
まずは、普通の人には見えないものが見えるということ、会話ができることもあるということ。
そして、そのせいで、小さい頃、周りに馴染めなかったこと。
そんな俺に笑顔をくれたのがチトセだったこと。
それから、それから…






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