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「そういえば、今日は田辺は休みか?」
「え?」
田辺って…田辺…
「ユウキ俺最低だ。忘れないとかいいながら、さっきまで田辺のこと忘れていたんや。どないしよ、どないしよ」
「思い出したから、それでいいいだろ。俺も昨日、家に帰ってから思いだしたし」
「…そうだよね昨日の昼くらいまではいたよね」
「なんか、最後の別れみたいなこと言ってたから、天界っていうの空に帰ったんだろうな」
「そか、昨日、なんや、ベットが広いなって思ったんやわ」
夜一人で寂しいなって思った。
それがどうしたのか自分でも疑問だった。
ずっと中学生になってからは、家には一人のはずなのに…
「ベットが広いって?」
「あ、田辺がいたときね、一緒のベットで」
……ユウキがなんや、怖い顔しとる。
俺なんかした?
「ユウキなんや怒っとる?」
「ううん。全然怒ってなんていないよ。ただそんなにもベットに一人が寂しいんなら、俺が一緒にいてやるぞ?」
「ほんまに?」
俺は嬉しくなってユウキの手を取った。
「……チトセ、お前、ただ添い寝するだけだって思ってる?」
「え、他に何があるん?」
「えとさ、ほら」
「う?」
ほら、恋人ならなんかあるだろとかユウキは必死に説明してくれたけども、俺にはその意味がわからんかった。
「ま、夜は長いから、また今夜、教えてあげる」
「うん」
「無邪気に頷かないでくれ…」
「なんで?」
「ああ、もう、何でもないって!」
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