完了・2
神さまの前まで帰ってくると願い事を聞かれた。
だから、俺は一言、
「いつか神さまのお話聞かせてくださいね」
と言った。
叶えて欲しいことなんてない気がしたんだ。
消えてしまいたいと願っていたけども、その感情も何もかもそのままで、俺は精一杯、幸せを見つけたいと思った。
チトセからもらった手紙を読んだせいだろう。
それに俺は神さまのこと何も知らないと気がついたんだ。
だから知りたいと思ったのかもしれない。
「俺の話なんて…聞いてどうなるんだ?」
神さまは不思議そうに首をかしげている。
俺は「ただ神様にも笑ってほしいと思ったんです」と告げた。
その日、世界中、切ない雨が降った。
神さまの小さな涙の。
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