恋路・4
「では、現国の授業をはじめます。まずは教科書―――……」
一時限目の授業が始まった。俺は教科書を開いて、黒板を見つめた。
本当、気分がしゃきっとしない。
本当、今さらだけど、昨日のあれって、俺とミチユキは両想いでいいってこと?
いいんだよな。
うん、いいんだ。
いいのか?
わからない。
どうなんだろう。
え、うわーっ思いだしたら恥ずかしくなってきた。
あんなキス…してしまったし、それに…
『恋している』とか俺言ったよ。
なにそれ、恥ずかしくないの、天使として!
てか、何さ、あの甘い笑顔。
反則だよ、ミチユキにあんな顔されたら、俺、なんだっていい気がしちゃうじゃんか。
「この時の主人公の気持ちはどんなものだったでしょうか、田辺くん」
「はい、恋してます」
「………え、えとぉ?」
「あ、ああああ、すみません!」
ミチユキのせいで恥をかいた。
本当に、あいつのせいだ。
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