恋路・2
「……田辺、お前、今、俺の言葉を間違ってとらえているんじゃないだろうな」
「ま、まさか、わかってる。ミチユキが言いたいのは、天使として好きだって言いたいんだろ?」
俺とは違ってただ天使としての好意だって…理解しているつもり。
キスだって、ただ俺を落ち着かせようとしてしただけだって、わかっているし、自惚れたりなんてしない。
うん、大丈夫。
「ちゃんとわかっているよ」
「わかってない!」
「…っ!」
いつも余裕満々の顔をしているミチユキが必死に俺の肩を掴んで、
「だから、田辺だから、好きだって言っただろ!」
なんて言う。
赤面。
「…ば、馬鹿、なんでミチユキが俺なんかを…」
「それは俺が聞きたい。なんでこんな馬鹿が好きなんだろう」
「ひどい、馬鹿だって言った!」
「だって、田辺はとんでもない馬鹿じゃん。俺の気持ちにも気がつかないなんて」
「それは…お互い様だろ!」
「…え?」
「俺はずっとミチユキに、恋していた」
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