感情・3
分かち合う喜びを知った俺たちは次から次へと理解を求め合った。
今までは自分だけだとそんなことを想うのがおかしいんだと思っていて聞けなかったことなど、たくさんの言葉が飛び交った。
みんな弱かったんだと思った。
口に出して自分だけとういう想いをしたくなくて、みんなと一緒で自分はそんなことを考えも想いもしないと。
自分を長く殺して生きてきたんだろう。
これからはそんなこともなく、これよりもすばらしい笑顔に満ちた世界になるんだと俺は思った。
でも、本当に、みんな弱かったんだ。
『どうしてわかってくれないの?』
『こんな想いは自分だけ?』
『もう自分の感情がわからない!』
『疲れちゃった』
『もう何も誰にも求めないでいよう…』
『傷つく必要なんてないんだから』
『ほら、そう、感情なんていらないんだ…』
『俺たちは天使だ、感情なんてもとからなかった』
『ほら、無だ。何もない』
俺たち天使はさらに堕落してしまった。
俺たち天使の仕事は神さまが全てしてくれるようになった。
俺たち天使は暇になってしまった。
俺たち天使は…
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