窮屈・3
田辺は本当にいい奴や。
ほんま、田辺みたいな兄弟欲しかったな。
今日一日、高校生にして、まるで小学生みたいな遊びを二人でした。
嬉しかった。
楽しかったわ。
昔したくてもできなかったことばかりやったから。
でも、
どないしたんやろうな。
俺は心の底から笑えんかったんやわ。
今、ユウキはどうしているんやろうって思ったら、なんや、辛くてな。
*****
「気分転換にはなったかな?」
田辺はそう言って俺を見つめた。
俺はそんな田辺の優しさに微笑んだ。
「ああ」
とっても楽しかったよと、帰り道田辺の肩に触れた。
田辺は少し飛び跳ねたけども、少しして、俺の肩に手をまわして
「酔っ払いのおじさん」
とか言いながら、ふらふらと歩き出す。
こんな日々は、いつか、消えるものなのだろうか…
簡単に俺の記憶から消されてしまうのか…?
怖くてそのことを田辺に聞くことが出来なかった。
いつか田辺はまた空に帰ってしまうのやろうか?
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