期待・3




高校生になって、少しして、夢を見た。

途端に俺は怖くなってしまった。
その夢がチトセを抱く夢だったからだ。


友達を…


俺はチトセの優しさを裏切るつもりなんてない。

俺はチトセのこと大切にしたい。
なのに、なんてことなんだろう…


泣いた。
限りなく辛くて泣いた。


涙はこぼれるのに、チトセへの俺の想いは大きくなるだけで。


こんなことなら出会わなければよかったなんて思った。

だけど、チトセに出会っていない自分なんて寂しくて想像もしたくなかった。


『ユウキ』


俺の隣でそうやって無邪気に笑う君は、俺が君を押し倒したいと思っていると知ったらどう思うかなと考えた。

チトセは優しいから、受けとめてくれるんじゃないかと…考えた。



そんな自分が大嫌いだ。







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