承認・3




正直、チトセとは今日初めて会ったのだから、仲良くなれるかと俺は心配だった。
だけど、そんなにも肩の力を張らなくてもいいと気がついた。

チトセは俺に似ていた。

仲良くなれるかなんてわからないけども、俺たちは分かり合えると思った。


「よく眠ってんな」


すやすやと眠るチトセを見つめながら、ミチユキは言った。


「もう、夜だ。早いもんだな…」

ベットが一つしかないからということで俺はチトセと同じ布団で寝ることになった。
誰かの温もりが近くにあるってなんか落ち着くよな。

さっきからミチユキはなぜか不機嫌に俺のこと睨んでいるけど。

「ミチユキ…」

駄目だ。
俺は耐えられなくなって聞いた。


「怒っている?」


そりゃあ、ミチユキからしたら俺なんてトロイから、見ていていらいらするかもしれないけど。

「怒ってない」

「嘘だ、明らかに怒っているじゃないか」

「……別に、ただそんなんじゃないんだ」

「じゃあ、どんなんなんだよ!」

「それは……」

「ひどい。俺は、ミチユキに、そんな顔して欲しくないのに」

傍にいてくれるのは嬉しいけど、
俺の傍にいてミチユキが不機嫌になってしまうのは嫌。


嫌わないで欲しい。


好きになって欲しい。


こんな感情は本当にやっかいで、俺は辛い。

何でもないと自分に言い聞かせることだけは、上手くなってきていると思う。






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