承認・2




「久しぶりって、そんなにも日々は面白くないものなのか?」

俺はチトセの部屋を見渡した。
それなりにものはあるし、別に何かが欠けているようにも見えない。

「……うん、俺が不器用っていうせぇかもしれへんけどな。たまに変なこと考えちゃう」

「変なことって?」

「天使に言うようなことちゃうよ?」

「そっか。俺、チトセが俺たちと同じこと考えているんじゃないかって思ったんだけど…違うのか?」


退屈な毎日に飽きて、
生きていることがあまりにも無意味で、
ここから消えたいと
切実に願ってしまう、あの辛さと、みじめさ。


「そっか、天使くらいだよな。生きているの意味わからなくて死にたいって言うの」

「は?」


急にチトセは立ちあがった。

俺は焦った。
俺、何か変なこと言ったかな。
よく、ミチユキにお前は少し黙れって言われていた気がする。
遠い昔な。

最近は俺だってもう大人だし、そんなことないんだけど…いやはずなんだけど。


「天使も考えることあるん?」

「え?」

「だから、生きている意味がわからないって、辛いって」


チトセはニコニコ顔を何処かに捨てたように、真剣に俺の方へ語りかける。


「なあ、もしも、俺の幸せが安らかになることだと言ったら、田辺はどうしてくれる?」


「楽にしてあげるよ?」






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