承認・1
そんなこんなで、一部(かなり)省略しるけども、俺は無事に富田チトセくんの幸せを叶える天使として、チトセに認めてもらえた。
「ほんま、自分変わってんな。本気でそれで天使や言うん」
いや、ちょっとまだ疑われている感はあるが、チトセは俺のことを信用してくれた…らしい。
だから、これからは俺がチトセを幸せにするパートナーとして、狭いチトセの家に招かれた。
「田辺、神さまが今回の設定はお兄ちゃんだって」
チトセの部屋について、やれやれと腰を下ろすと、ミチユキが携帯電話片手にぼそぼそと呟いた。
どうせ、その姿も声もチトセには見えも聞こえもしないんだから、いつも通りでいいのにな。おかしな奴。
あ、そうだ、いちお説明しておくと、設定がお兄さんっていうのは俺みたいな天使がこんな風に急にターゲットの近くについても他の人間がら、不審に思われないためだ。
ま、実際問題そんなに重要なことでもないんだけどね。
以前からそこにいたかのように、設定つけてくれるシステム…つまり簡単に説明しちゃうと、チトセ以外の人間は俺のことをチトセのお兄ちゃんだと思いこんでいるってこと。
……そう、考えると、神様って普段おちゃらけているけど、すごい人なんだなって思う。
「てか、ほんま、やっぱ、田辺って天使って感じしぃひん」
チトセは俺の前に座ると笑った。
「なな、誰がなんて言おうと俺は天使だ!」
「あはは、おもしろいわ、久々やわ。こんなん」
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