なんだかんだと言いながら、食事を済ませると、俺たちは寄り添って、床に腰を下ろした。テレビはいちおつけたものの、全く、頭に入ってこない。ただ俺は隣に勝がいるってことが嬉しくて仕方ないだけ。

「なぁ、一樹。俺は、一樹にとって最高の恋人でいれてる?」

「え?」

「なんてしんみりしちゃった」

「勝。俺は勝のこと好きだから、それだけで…俺にとっては最高かな…」

「なっ」

……どうしたんだろう。一言そう発したっきり、勝は顔を赤くして固まってしまった。俺、変なこと言ってしまっただろうか?

「…ぇ?」

急に押し倒されて、俺はどうしたんだろうと勝と見上げた。
駄目だ…勝の息が荒い…

「勝、コピーライターのお仕事大丈夫なの?」

俺はあえてそこから逸らそうとした。

「ああ、平気、ちゃんと原案は送った」

もくもくと俺の服に触れている勝は、高校卒業後、コピーライターになって、数々の商品を紹介している。俺だって、たまに勝の文章を読むけど、身内びいきかもしれないけど、その商品がほしいって本気で思う。それくらい、勝はすごいんだ。……なんて俺が一人考え込んでいても、着々と作業は続いて、いて、そして勝は静かに「好きだよ」と俺に言う。

ああ、もう、好きだって言ってくれたら、何でもいい気がしてきた。


「明日の朝も俺新聞配達するから、優しくしてくれよ?」

「ああ、大丈夫」

その辺は愛でなんとかするよって勝は笑った。
ちょっと、勝、今日はお酒臭い。






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