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ますます小雪がわからなくなった。

でも俺は小雪が本当によくわからない奴だと知ることができた。

それは少し小雪に近づけた証拠なのかもしれない。


そう思うととても嬉しくて…


不謹慎なのに、泣いている小雪を見るのは俺だけなのかと思うと幸せで、

猫かぶりを正面から壊そうとするのも俺くらいだというのも幸せで、

何もしらないくせに、

俺はちょっと小雪にとって特別かなって思っていた。



さっき不意に抱きしめられて

『その傷につけこんで…ごめんね』と言われて、

俺はなんて答えたらいいのかわからなかった。


ただ時間だけが流れて、また小雪がその後に『名演技リターン』とか

ごまかしの言葉を言われても、俺はまだなんて答えたらいいのか


そんなことを考えていた。


だって、あまりにも悲痛だったんだ。


俺はわからないなりにでも小雪のその想いに答えてあげたかった。

小雪が望む答えなんてわからないけども、
少しでも小雪が笑ってくれる言葉を必死に模索した。



俺、言葉なんてなんの価値もないと思っていたのに。

本当にどうしてこんなにも必死になるんだろう。



な、小雪。
本当に、不思議だよな…







第九話 完結





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