６
「何が原因だったんだろうな…」
俺はブレーカーをもとにもどすと、小雪の方を見つめた。
小雪はまだ震えていて、瞳からは涙を流していた。
ちょっとした放心状態だ。
「て、小雪、どうかしたのか？」
「なんでもないよ。すぐ、落ち着くから…ごめん」
「そんな、気にすんなよ、俺は小雪のこと、責めてないよ？」
「……ありがとう」
消えてしまいそうな声で小雪は呟くと、俺の服を引っ張って、泣いた。
本気で泣く、小雪を見たのは、初めてだった。
「そばにいるから…」
俺はそれだけを言って、小雪を抱きしめて瞳を伏せた。
こうして、君の悲しみも何もかも、俺が背負えたらいいのに。
過去に何があったかなんて知らないけど、小雪はきっと辛い思いをしてきているだろうから。
「話くらい、聞くから…さ」
気が向いたら話してくれって俺は言った。
何も変わらなくてもいい。
ただ君の孤独が癒えたらいいのにと。
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