「嫌だとか…ないよ。そもそも、俺、が先にしたんだし。小雪こそいやだったら、ごめん」

「そんなことないよ。驚いたけどね」

にっこりと笑うと小雪はテレビの電源を再び入れた。
つまらないお笑いがテレビで流れ、はじめた。

小雪は俺から目を放すとそっちに興味を向けた。

話題は尽きたし、別にそれが間違った行為になるわけでもないし、
そんなこと俺はわかっている。
俺と小雪は家族だから。
変な気を使うなんてめったにしない。
それはとても特別なことで…とても寂しいこと。

俺はガキだから、どうしても、今、テレビなんかじゃなくてこっちを向いてほしいと考える。

馬鹿げている。

どんなに俺が頑張って料理をしようと
それはあたり前となってしまって
はじめて不器用なりに作った不味い食べ物のように
小雪は喜んでくれない。


それはたくさん俺と小雪が時間を共にしてきたからっていうのもあるけども、
どんなに俺が隣で小雪のことを想い続けても、何も変わらず、
むしろ日に日に小雪は俺から遠ざかっていると
思う。

そんな瞬間とても辛い。






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