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「小雪はまだ一人になろうとするか?」
「どういう」
「だって、小雪は一人で抱え込もうとしている。俺にはそれが何なのかはわからないし、力になれるかもわからないけど、相談には乗れるよ」
「一樹…っ」
「俺だって話くらいは聞ける」
「…うん」
ただここには幸せさえあればいいと
思っていた。
でもそんなの過去の話だ。
こんな悲痛な思いをくり返して、
僕らが関わりあう必要なんてないのに
理解を求めて手を伸ばした。
「あのね、一樹っ」
僕は泣き出しそうな声で一樹に告げる。
「これからもずっと友達でいてほしい」
「あたりまえだろ」
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