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=小雪side=


僕は笑えなかった。
簡単に、笑って片付けようとしなかった。

一樹がそんなにも思いつめていただなんて知らなかった。

いつも隣にいたのは僕。

だから、一樹のことは一番僕が知っていると思っていた。
菅野くんにはそれだけは負けていないと思っていた。

馬鹿らしい。



「本当は、避けていた」

僕は観念して本当のことを話そうと思った。
だって、一樹はこんなにも真剣なのに、僕が適当だったらいけない。


「だって、一樹には菅野くんがいるからさ」

僕はもういらないんじゃないかって。
むしろ僕がいない方が楽しんじゃないかって。
そんなことを考えたとまでは言えないけどね。

「だから…」

別に一樹のこと嫌いになったとかそういうのじゃないんだよって僕は呟いた。


「小雪…」

ああ、僕の名前を呼ぶ一樹があまりにも悲痛な顔だ…。

「そんなこと言うなよ…」

「どうして本当のことじゃないの?」

「それは小雪の中の答えだろ」

「え?」

「俺は小雪にはそばにいてほしいよ。菅野は菅野だし、小雪は小雪だろ。おもちゃじゃないんだ。そんな新しい仲良しさんができたらからって、古いお友達がいらないなんて俺は思わない。ずっと友達だって約束してくれたじゃないか…」

「そうだったね」






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テーマ「人外ファンタジー」
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