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=中佐都side=


最近、小雪になんだか避けられている気がしてならなかった。
俺にとって小雪は大切な友達なのに、どうして、こんなことになってしまったのかと考えた。

でも答えなんて出なかった。

菅野にも遠まわしに聞いてみたら、本人に聞いてみたほうがいいって言われた。まあ、あたり前のことか。だから、俺は小雪に確かめようと決めた。

なのに、小雪は本当に俺のこと避けているようで、なかなかそんな時間なんて見当たらなかった。

俺はさっき一大決心を固めて、登校としてきたばかりの小雪にサボろうって提案した。


そして、今、俺たちは屋上に居る。


「ごめん、授業、本当に受けなくてもよかった?」

「一樹、今さらだよ。それに一樹と一緒に遅刻なら楽しいね」

「…楽しいか?」

「う、うん」

「あのさ、本題なんだけどさ、最近、小雪は俺のこと避けてない?」

「避けていないよ?」

「だったら、なんで一緒に帰ってくれないんだ。一緒に登校してくれないんだ。どうして今までよりも遠くに行って…あ、その、ごめん。そんなの俺がいけなかったんだよな…」

思っていたこと全部ぶつけて、俺はそこで気がついた。

今までだってそうだったじゃないか。
俺と仲良くなっても俺から離れていく人ばかりだったじゃないか。
そんなのいちいち追いかけないし、気にしないようにしていたのに。
どうして小雪だけは違うって言いきれたんだろう。

馬鹿らしいよ。
だって、俺さ、小雪のために何もできていなかったというのに。






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テーマ「人外ファンタジー」
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