僕と優香が出会ったのは最近のこと。

優香のお母さんが事故にあって入院してしまったのが原因で、僕の家に転がり込んできたのが始まり。

僕の母さんは僕に無関心だし、いつも、通帳に適当なお金が入っているだけで、家に帰ってくることが全然ない。
だから、僕が、優香を家に連れ込んだ。

だって、たまたま病院で見かけた兄弟を僕はほっておけなかったんだ。


「一緒に暮らそう。少しの間」

僕がそう言って手を伸ばしたら、優香はそんな僕を脳天気だとか言っていたけども、
今は少し違うかな。
最近は無理に笑うなって怒られる。
確かにあの頃の僕は脳天気だったのかもしれない。いくら、優香に帰る家がないからって、そんなほとんど会ってもいない兄弟を家に招くなんてさ。


でも、一人は辛いって僕は知っている。


これからどうしたらいいのかわからない時、誰も助けてくれないのって、孤独で本当に、辛いから。

後になって聞いた話では、優香のお母さんは新しい男の人ともめて事故に合ったらしい。で、彼女の入院費はその男の人持ちだけど、自宅の家賃までも面倒は見てもらえずに、優香は食べ物はおろか住む家もない状態になっていたらしい。
なのに、僕に対して「平気なのにおせっかい」とか言ったのはとてもすごいことだと思った。


優香はいつも憎まれ口をたたくけど、本当はどこか思いやりのある子なんだと僕は知っている。

だから、僕は優香には頭が上がらない。

どんなに優香に痛いことを言われても、ちょっとしたら許してしまうんだ。






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