プロローグ7
幸せだなって思うことが、日常にあって、
俺は目覚めるのも眠りにつくのも嬉しい。
菅野に会えるのも、菅野と手を繋げるのも、
学校に行けば、友達がいるのも、
小雪が前みたいに俺のそばにいてくれるのも、
みんなみんな、驚くくらいに幸せなこと。
幸せなこと。
だから、忘れられるんだって思っていた。
くどいようだけど、
俺は醜い感情なんていらない。
いつまでも昔のとこに囚われていたくない。
今、とっても幸せなんだから、
それを疑うのもよくない。
よくないのに、俺はどうしても不安症だった。
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